「家のまわりに野良猫が増えて困っている」「子猫が生まれてしまったけど、どこに相談すればいいのか分からない」・・・大分県内、とくに臼杵市のような地方の町では、最初の相談先で迷う方が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、大分県内での相談先は大きく「①市町村の担当課」「②保健所」「③おおいた動物愛護センター」「④地域の保護団体・ボランティア」の4つです。困りごとの内容によって向いている窓口が違うので、この記事でその使い分けを整理しますね。
大分県で不妊去勢手術を専門とする獣医師で、長崎でも保護猫・地域猫の活動に関わっています。その立場から、相談先の探し方、費用を抑えられる制度、そして相談の前に整理しておきたいポイントまでをまとめてみます。
先に知ってほしいこと:野良猫の悩みは「排除」では解決しない

相談先の話に入る前に、ひとつだけ前提を共有させてください。野良猫の困りごとは、猫をその場所から追い払ったり、どこかへ連れて行ったりするだけでは解決しないんですよ。猫は縄張りで生きているので、いなくなった場所には周囲から別の猫が入ってきて、また繁殖が始まってしまいます。
そこで現在、全国の自治体や保護団体が進めているのが、捕獲して不妊去勢手術を行い、元の場所に戻すTNRという方法です。「これ以上増えない状態」を作ることで、数年単位で猫の数と困りごとを減らしていく考え方で、詳しくはTNRの基礎知識と実践手順で解説しています。これから紹介する相談窓口でも、多くの場合この「増やさない対策」を軸に話が進みますね。
大分県内の相談先は大きく4つ

それでは本題です。どこに相談するかは「誰が・何に困っているか」で決まるんですよ。順番に見ていきましょう。
① 市町村の担当課(環境課など)
糞尿や鳴き声といった生活環境の困りごと、地域ぐるみの対策、助成制度のことは、まずお住まいの市町村の担当課が入り口になります。担当課の名前は市町村によって違い、環境課・生活環境課・衛生担当課などさまざまです。
臼杵市にお住まいの方は、臼杵市の公式サイトで「猫」「動物」などのキーワードで検索し、公式案内ページで担当窓口を確認してください。窓口が分からないまま代表窓口に問い合わせても、担当課につないでもらえますよ。
② 保健所
大分県には複数の保健所があり、犬・猫の保護情報の公開や、動物に関する相談を受け付けています。迷い猫を探しているときや、保護されている猫の情報を知りたいときは、保健所のページが役立ちますよ。
ここで大切な注意点があります。2026年8月時点で、大分県は野良猫を原則として引き取っていません。保健所は「猫を引き取ってもらう場所」ではなく、「困りごとへの対応を一緒に考える窓口」と捉えてくださいね。この点は後ほどよくある質問でも触れます。
③ おおいた動物愛護センター
大分市にあるおおいた動物愛護センターは、大分県の動物愛護の拠点施設です。保護された犬・猫の情報公開や譲渡のほか、飼い主のいない猫への対策として、市町村・ボランティア・県獣医師会などと協力した不妊去勢手術の取り組み(後述の「おおいたさくら猫プロジェクト」)を進めています。
野良猫対策を本格的に始めたい場合や、地域猫活動に関心がある場合の相談先として覚えておきたい施設ですが、所在地や受付時間はセンターの公式サイトで確かめてくださいね。
④ 地域の保護団体・ボランティア
捕獲器の使い方のコツ、手術をお願いできる動物病院の情報、子猫の預かりや里親探しなど、実務のノウハウは地域で活動している保護団体やボランティアが豊富に持っています。私が活動している大分や長崎でも、行政の制度と現場をつなぐ役割はこうした方々が担っている場面が多いと感じるんですよね。獣医師は診察室の中の話には詳しくても、現場の細かい動き方は正直に言うと教わることばかりです(汗)。
探し方としては、市町村の担当課で活動団体を紹介してもらう、近隣の動物病院で聞いてみる、SNSで地域名と「保護猫」を組み合わせて検索する、といった方法がありますね。
| 困りごと | まず相談したい窓口 | ポイント |
|---|---|---|
| 糞尿・鳴き声など生活環境 | 市町村の担当課 | 地域の対策や制度の入り口 |
| 迷い猫・保護情報の確認 | 保健所・愛護センター | 保護情報が公開されている |
| 増える前に手術をしたい | 担当課・愛護センター | 無料手術や助成の制度がある |
| 捕獲や子猫保護の実務 | 地域の保護団体 | 現場のノウハウが豊富 |
手術費用を抑えられる制度(2026年8月時点)

野良猫対策の中心になる不妊去勢手術は、一般の動物病院ではオスでおおよそ1万〜2.5万円、メスで2万〜3.5万円が目安です(2026年8月時点の一般的な目安。病院により異なります)。まとまった数になると個人には大きな負担ですが、大分県内では負担を減らせる制度があるので安心してください。
おおいたさくら猫プロジェクト
おおいた動物愛護センターが市町村やボランティア、県獣医師会などと協力して進めている、飼い主のいない猫に無料で不妊去勢手術を行う取り組みです。県内の市町村で公表されている例だと、地域で活動する団体として参加する場合、「活動する地域に住む別世帯の3名以上で構成すること」「地域の方々に取り組みを説明し、自治会の承諾を得ること」といった条件が示されているんですよ。
申し込みの窓口や手続きの詳細は市町村ごとに違うんですが、臼杵市での取り扱いは臼杵市の公式案内ページで、それ以外の市町村の方はお住まいの市町村の公式案内ページで確認してくださいね。
どうぶつ基金の無料チケット・自治体の助成
公益財団法人どうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」も、飼い主のいない猫の手術費用を抑える代表的な仕組みです。使い方の流れはさくらねこ無料チケットの使い方で詳しく解説していますが、大分県内の助成制度の全体像は大分県の猫不妊手術助成の解説にまとめてあるので、あわせてご覧くださいね。
相談の前に整理しておきたい3つのこと

窓口に相談するとき、次の3点を整理しておくと話が早く進みますよ。
- 何匹いて、何に困っているか。おおよその頭数と、糞尿・鳴き声・子猫が生まれたなど、困りごとの中身をメモしておくと話が早いです。
- 餌をあげている人がいるか。餌やりをしている方がいるなら、その方を交えて対策を考えるのが近道ですよ。
- 飼い猫・手術済みの猫が混ざっていないか。首輪の有無と、耳先が桜の花びら型にカットされているか(手術済みの「さくらねこ」の目印)を確認しておいてください。
とくに耳カットのある猫はすでに手術を終えた猫で、これ以上増えることはありません。捕獲や手術の対象からは外して、見守りの対象として数えておきましょう。
臼杵のような町での「最初の一歩」

相談先が分かったら、最初の一歩は1人で抱え込まないことです。野良猫の問題は1人では解決できませんが、ご近所や自治会と状況を共有し、市の担当課に相談し、必要に応じて保護団体の力を借りる。この流れに乗れば、着実に前へ進みますよ。臼杵のような顔の見える町は、実はこうした地域ぐるみの対策と相性がいいんです。
また、すでに餌やりをしている方・見かけて餌をあげたくなった方は、トラブルを防ぐための基本を野良猫への餌やりのルールで確認しておくことをおすすめします。餌やりと不妊去勢手術はセットで考えるのが、地域の理解を得るいちばんの近道ですね。
よくある質問
Q. 野良猫を捕まえて保健所に持ち込めば、引き取ってもらえますか?
2026年8月時点で、大分県は野良猫を原則として引き取っていません。これは大分県に限らず、動物愛護管理法の考え方に沿って全国的に共通する流れです。「連れて行って終わり」にはできないからこそ、手術をして増やさないTNRが現実的な対策として広がっています。
Q. 近所の餌やりに困っています。どこに相談すればいいですか?
まずは市町村の担当課に状況を伝えてください。餌やりそのものを一方的に責めるより、「餌やりをするなら片付けと手術をセットにする」という地域のルール作りにつなげるほうが、結果として困りごとは減っていきます。当事者どうしで直接ぶつかる前に、行政を間に入れるのが安全です。
Q. 子猫が生まれてしまいました。急ぎの対応はありますか?
子猫は衰弱が早いため、状態が悪そうであれば早めに動物病院へ相談してください。元気な場合も、生まれた場所や親猫の情報を整理したうえで、市町村の担当課や保護団体に相談を。あわせて、親猫の手術を早めに検討しないと、数か月後に同じことが繰り返されます。
まとめ

この記事のまとめ
- ✓ 大分県内の相談先は「市町村の担当課」「保健所」「おおいた動物愛護センター」「地域の保護団体」の4つ。困りごとで使い分ける
- ✓ 臼杵市の窓口・制度の詳細は、臼杵市の公式案内ページで確認する(電話の前に担当課をチェック)
- ✓ 大分県は野良猫を原則引き取らない(2026年8月時点)。だからこそ「手術して増やさない」TNRが対策の軸になる
- ✓ おおいたさくら猫プロジェクトやどうぶつ基金のチケットなど、手術費用を抑える制度から調べるのが最初の一歩
野良猫の困りごとは、放っておくと季節ごとに大きくなりますが、正しい窓口につながれば必ず打つ手があります。まずはお住まいの市町村の公式サイトで、担当課と制度を調べるところから始めてみてください。
※記事内の制度・費用は2026年8月時点の情報・一般的な目安です。制度の内容や窓口は市町村により異なり、変更されることがあります。最新の情報は臼杵市・大分県・おおいた動物愛護センター・どうぶつ基金の公式案内ページでご確認ください。