「臼杵市に住んでいて、近所の野良猫が気になっている。手術費用の助成があるらしいけど、何から手をつければいいのかわからない」。ええ、わかります。猫のいる地域なら、だいたいそう来ますよね。
結論から言うと、臼杵市には所有者不明猫(いわゆる地域猫)の不妊去勢手術にかかる費用の一部を助成する制度があります。ただし、個人がふらっと申請できる仕組みではなく、事前の団体登録が前提になっているのがポイントです。
私は不妊去勢手術を専門とする獣医師で、保護猫・地域猫の活動に関わっています。この記事では、臼杵市の助成金制度の内容と、対象条件、申請の流れを順番に確認していきます(内容は2026年9月時点のものです)。
臼杵市の不妊去勢手術費助成金とは

臼杵市は、所有者不明猫の不妊去勢手術にかかる費用を助成する制度を設けています。詳しい条件は臼杵市の助成金ページで公開されており、助成金額は次のとおりです。
- 不妊手術(雌) …… 10,000円
- 去勢手術(雄) …… 5,000円
雌のほうが金額が高いのは、開腹を伴う手術で難易度も費用も上がるからなんですよ。オスとメスで同じ金額にならないのには、ちゃんと理由があります。
・・・とはいえ、猫のほうはそんな事情など知ったことではなく、手術の前も後も、我関せずという顔をしていますけどね。
対象となる猫と申請の前提条件

この助成金の対象は、飼い主のいない猫、つまり地域猫の不妊去勢手術です。地域猫という考え方そのものについては、別の記事で詳しく触れていますので、あわせて読んでみてください。
ここで重要なのが、助成金を使うための大前提です。臼杵市の制度を利用するには、あらかじめ「臼杵市の地域活動団体登録」が完了していることが必須条件になっています。個人が単独で申請できるかどうかは、公式ページ上に明確な記載がなく、少なくとも仕組みとしては団体としての登録が前提になっている、というのが正確なところです。
登録抜きで先に猫を捕まえて手術してしまう、という順番では助成の対象になりません。段取りを整えてから動く。
・・・言うのは簡単ですが、目の前で妊娠中の猫を見つけると、つい先に動きたくなるんですよね。
申請の流れ

大きく分けると、手術前の申請と、手術後の実績報告の2段階です。
1. 地域活動団体登録(前提条件)
まず、臼杵市の地域活動団体として登録されている必要があります。この登録が済んでいないと、そもそも助成金の申請そのものができません。
2. 手術前申請
対象の猫について、電子申請または書面で事前に申請します。書面の場合は、様式第8号(手術申請書)や様式第9号(助成金交付申請書)といった様式を使います。申請の際には、対象の猫の写真と、生息している場所がわかる地図の添付が求められます。
「先に捕まえてから手続きすればいいのでは」と思う気持ち、よくわかります。ですが、この制度は手術前の申請が前提になっているので、順番を守ることが結果的に一番の近道です。
3. 手術後の実績報告・請求
手術が終わったら、領収書と、対象の猫の写真(耳先カットの措置がわかるもの)を添えて実績報告を行います。書面の場合は様式第11号(実績報告書)、そして様式第12号(交付請求書)を使って助成金を請求する流れです。
おおいたさくら猫プロジェクトとの関係

臼杵市のこの助成制度は、単独で動いているわけではありません。大分県・市町村・獣医師会・動物愛護団体が協力して取り組む「おおいたさくら猫プロジェクト」という枠組みの中で、実施主体である臼杵市が運用している制度です。県や獣医師会、動物愛護団体はこの枠組みを支える協力主体という位置づけになります。
このプロジェクトのもとで登録される地域活動団体には、臼杵市内で活動していること、所有者不明猫の減少に取り組んでいること、適正な飼育と動物愛護についての理解を広める姿勢があることなどが、登録の主な要件として挙げられています。登録の手順としては、まず地域活動団体登録申請書を提出し、市から登録証が交付されたあとに、活動時はその登録証を携帯することになっています(なくしたら大変です)。
登録が完了して初めて、手術申請書を提出できるという順番です。TNRの活動の詳しい解説も参考にしながら、捕獲から手術、そして元の場所に戻すまでの一連の流れをイメージしておくと、申請の準備もしやすくなります。
申請にあたっての注意点

手続きの細かい部分、特に電子申請と書面申請のどちらを選ぶか、様式の記入方法などは、臼杵市の公式ページの最新の案内を必ず確認してください。制度の内容は更新されることがあるので、この記事の情報だけで進めず、公式ページを都度チェックするのが安全です。
また、電話番号やメールアドレスなど窓口の詳しい連絡先は、この記事では扱いません。臼杵市の公式案内ページから、環境課の窓口情報を確認してもらうのが確実です。
捕獲や手術の予定を立てる際は、猫の発情期や気候も頭に入れておきたいところです。猫の繁殖はこちらの都合を待ってくれませんし、真夏や真冬の捕獲・搬送は人にも猫にも負担が大きくなります。まあ、こればかりは季節相手なので、しょうがないんですけどね。無理のない時期を選びつつ、早めに動き始めるのがちょうどいいバランスです。
まとめ

臼杵市の助成金は、地域活動団体登録、手術前申請、手術後の実績報告という3段階を踏む制度です。順番さえ間違えなければ、決して複雑な手続きではありません。
この記事のまとめ
- ✓ 臼杵市の助成金額は不妊手術(雌)10,000円・去勢手術(雄)5,000円
- ✓ 利用には「臼杵市の地域活動団体登録」が完了していることが必須条件
- ✓ 手術前申請(猫の写真・生息地図を添付)と、手術後の実績報告・請求の2段階で進める
- ✓ 制度は「おおいたさくら猫プロジェクト」の枠組みで、実施主体は臼杵市
よくある質問
Q. 個人でも助成金を申請できますか?
公式ページ上には、個人が単独で申請できるかどうかの明確な記載がありません。少なくとも仕組みとしては、臼杵市の地域活動団体として登録されていることが前提になっています。詳しい条件は臼杵市の公式ページでご確認ください。
Q. 電子申請と書面申請のどちらを選べばいいですか?
どちらの方法も用意されています。書面の場合は様式第8号や様式第9号など複数の様式を使うことになるので、記入方法や提出先も含めて、臼杵市の公式ページの案内に沿って進めるのが確実です。
Q. 手術後に何か提出するものはありますか?
手術後は、領収書と、耳先カットの措置がわかる対象猫の写真を添えて実績報告を行います。実績報告と交付請求の様式もあわせて必要になるので、事前に準備しておくとスムーズです。
臼杵市の制度は、団体登録という一段階が入るぶん、思い立ってすぐ、とはいきません。とはいえ、その一段階さえ踏んでしまえば、あとは順番どおりに進むだけです。
・・・書類仕事が得意な獣医、というのはあまり聞いたことがありませんけどね。
※本記事の内容は2026年9月時点の情報です。助成金額や申請条件は臼杵市の制度改定により変更される場合があります。最新の情報は必ず臼杵市の公式サイトでご確認ください。